「謝恩会の余興を任されたけれど、先生にも学生にも楽しんでもらえる企画が思いつかない」「卒業式の後で時間が限られているのに、何をどこまで準備すればよいのか分からない」。初めて幹事を担当すると、盛り上がる企画を探すだけでなく、先生への感謝、食事、写真撮影まで時間内に収める必要があります。
大学や専門学校の謝恩会では、にぎやかなゲームだけを詰め込むより、学生生活を振り返る時間と、先生へ感謝を伝える時間を両方残すことが大切です。先生クイズ、思い出スライドショー、当日の写真を使ったフォトコンテストなど、共通の記憶をきっかけにできる企画は、学科やゼミが違う参加者も入りやすくなります。
この記事では、1,000組以上のイベントを撮影してきたカメラマンの視点から、大学・短期大学・専門学校の謝恩会で取り入れやすい余興を7つ紹介します。必要な準備、向いている人数、2時間の進行例、司会が使える案内文までまとめました。
目次
最初に比較したい謝恩会の余興7選
余興は「面白そうか」だけで決めず、参加人数、会場の広さ、使える時間、先生と学生の関係に合わせて選びます。卒業式当日は写真撮影や移動で予定がずれやすいため、説明が短く、終了時刻を調整しやすい企画が向いています。
| 余興 | 所要時間の目安 | 向いている人数 | 主な準備 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 先生・学校クイズ | 15〜20分 | 20〜150人 | 問題、回答札、投影資料 | 先生と学生の共通の話題を作りやすい |
| 思い出スライドショー | 3〜7分 | 何人でも | 写真募集、編集、上映確認 | 感謝の言葉につなげやすい |
| 当日フォトコンテスト | 15〜20分 | 30〜200人 | 投稿案内、画面、選定担当 | 歓談中も参加でき、写真が残る |
| 思い出ビンゴ | 20〜30分 | 20〜100人 | オリジナルカード、景品 | 学生生活の出来事を振り返れる |
| テーブル対抗以心伝心 | 10〜15分 | 20〜120人 | 紙、ペン、お題 | 席を動かず会話が生まれる |
| 先生への一言リレー | 10〜15分 | 10〜60人 | 順番、時間管理 | 感謝を直接伝えられる |
| ベストエピソード表彰 | 10〜15分 | 20〜100人 | 事前募集、紹介文 | 学校らしい思い出を共有できる |
所要時間は、説明、集計、景品の受け渡しまで含めて考えます。ゲーム本体が10分でも、参加者を静かにさせ、ルールを説明し、結果を発表すると15分以上かかることがあります。
余興は一つか二つに絞るのがおすすめです。歓談と記念撮影を削ってゲームを増やすと、久しぶりに先生と話したい人や、友人と写真を撮りたい人の時間がなくなります。
余興1【先生や学校にまつわるクイズ】
先生クイズは、正解数を競うだけでなく、授業や実習の記憶を振り返れる企画です。ホテルやレストランの謝恩会でも行いやすく、テーブルごとのチーム戦にすれば、大人数でも全員を順番に指名せずに進められます。
問題にしやすいテーマ
- 先生が授業でよく使っていた言葉
- 学科やコースに関係する道具の一部分
- 校舎や実習室の写真を拡大したもの
- 学園祭、研修旅行、実習で起きた出来事
- 先生の学生時代や趣味について、本人に確認した内容
- 入学した年に学校で話題になったニュース
先生の年齢、容姿、家族、恋愛、失敗を笑いにする問題は避けます。本人が答えを公表してよいか、事前に確認してください。身内だけに通じる話題を続けず、参加者の多くが推測できる問題を前半に置くと入りやすくなります。
50人を超える場合は、テーブルごとに一枚の回答札を用意します。全員がスマホで回答する方法は集計しやすい一方、通信や操作の案内が必要です。紙の札なら通信に左右されませんが、後方の回答を確認する担当を置きましょう。
10問ではなく6問程度から考える
一問につき、出題30秒、相談30秒、回答と解説1分で進めても約2分かかります。6問なら約12分、練習と結果発表を含めて15〜20分が目安です。同点になった場合は、追加問題を一つ用意するか、同点優勝にするかを先に決めます。
余興2【学生生活を振り返る短いスライドショー】
入学直後、実習、学園祭、部活動、卒業制作などの写真を時系列で見せる企画です。感動的な映像を作ろうとして長くしすぎるより、3〜5分程度に絞り、その後の歓談で写真について話せる余白を残します。
写真はクラスやグループが偏らないよう、複数の人から募集します。提出依頼には、締切、使う場所、公開範囲、動画完成後の扱いを記載してください。個人のSNSから許可なく保存した写真や、実習先の利用者、患者、取引先などが写る写真は使用条件を確認します。
3分でまとめる構成例
- 入学時の校舎や集合写真を20秒
- 授業・実習・制作風景を60秒
- 学園祭や学校行事を50秒
- 先生との写真を30秒
- 感謝の言葉と卒業後へのメッセージを20秒
写真を細かく切り替えすぎると、後方席では誰が写っているか分かりません。一枚を2〜4秒ほど見せ、集合写真は少し長めにします。文字は短くし、会場の一番後ろから読める大きさにします。
音楽を使う場合は、会場での再生や動画への収録について権利と利用条件を確認します。インターネット上の楽曲をそのまま保存して使えるとは限りません。音が出ない場合でも進行できるよう、映像だけで意味が伝わる構成にしておくと安心です。
余興3【当日の写真でフォトコンテスト】
卒業式や謝恩会で撮った写真を集め、会場で紹介する企画です。ステージに出るのが苦手な人も、写真を撮る、友人と一緒に写る、スクリーンを見るという形で参加できます。歓談中に募集できるため、食事の時間を大きく削りにくいのも特徴です。
テーマは撮影技術より、謝恩会らしい出来事が伝わるものにします。
- 今日のベストスマイル賞
- 先生と一緒に撮れたで賞
- 学生生活の集大成賞
- 同じクラスで卒業できたで賞
- 幹事が選ぶありがとう賞
容姿や服装を順位付けする賞、本人が望まない過去を連想させる賞は避けます。受賞理由は「全員の自然な表情から会の雰囲気が伝わった」など、写真の良さを具体的に説明します。
写真を集める方法を選ぶ
LINEで幹事に送ってもらう方法は参加者が理解しやすい一方、幹事が保存し、上映用PCへ移す手間があります。共有アルバムは後日見返す用途にも向きますが、参加方法や閲覧範囲の設定が必要です。
当日の投稿を会場へ映し、最後に受賞写真を発表する場合は、イベント向けのサービスも選択肢になります。
猫の風船は、参加者がスマホから投稿した写真を会場のスクリーンにリアルタイムで映し、管理者が選んだ写真でフォトコンテストも楽しめるイベント演出サービスです。 参加者はQRコードから投稿でき、アプリのダウンロードやゲスト自身のアカウント登録は必要ありません。
主催者は登録してイベントを作成し、PC、インターネット接続、プロジェクターまたはモニターを用意します。受賞写真は管理者が選ぶ方式で、ゲスト投票の機能はありません。投票を取り入れたい場合は、挙手や回答札など別の集計方法を準備します。
ゲストのスマホでほかの人の投稿写真を一覧閲覧する共有アルバムではありません。会場ではスクリーンで楽しみ、後日配布したい写真は管理者が一括ダウンロードして、写っている人や学校の方針に配慮しながら別の方法で共有します。
募集終了と発表の間に選定時間を作る
写真を締め切った直後に発表しようとすると、候補を比べる時間が足りません。次の流れなら、歓談を止めずに準備できます。
- 開会後にQRコードとテーマを案内する
- 歓談中に写真を投稿してもらう
- 発表の20分前に選考対象を締め切る
- 選定担当が候補を確認する
- 司会が受賞写真と選定理由を紹介する
「この時間までに届いた写真を選考対象にします」と案内します。システムの投稿受付そのものがその時刻に自動停止する、という説明はしません。
2026年9月時点で、猫の風船の無料プランは30枚まで。有料プランは500枚19,800円、1,000枚24,800円、2,000枚29,800円で、料金はいずれも税別です。例えば70人が一人3枚投稿すると210枚です。幹事のテスト投稿や追加分も含め、上限に余裕を持たせます。
余興4【数字ではなく思い出を使うビンゴ】
通常の数字ビンゴを、学生生活の出来事に置き換える方法です。カードには「初めての実習」「学園祭」「ゼミ発表」「資格試験」「先生からの印象的な言葉」などを書きます。
司会が出来事を読み上げたら、その経験がある人は該当するマスに印を付けます。ただし、全員が同じ順番で同じ項目を持つと一斉にそろうため、カードの配置を変えるか、参加者が候補から好きな項目を記入する方式にします。
欠席、留年、就職先、成績、経済状況など、本人に説明を求める内容は使いません。「経験がない人が不利」にならないよう、学校共通の行事や、見聞きした人も印を付けられる項目を中心にします。
景品を用意する場合は、最初の一人だけで終えず、制限時間内にそろった人から抽選する方法もあります。大人数では前へ移動する時間がかかるため、景品を席へ届ける担当を置きましょう。
余興5【テーブル対抗の以心伝心ゲーム】
「この学校を色で表すなら」「先生に贈りたい漢字一文字」「実習後に食べたくなるもの」などのお題に、テーブル内の各自が答えます。同じ回答がそろった数を得点にすると、相談せずにどこまで気持ちが合うかを楽しめます。
一卓の人数が違う場合は、回答者を各卓4人にそろえるか、一致した割合で計算します。人数そのものを得点にすると、大きなテーブルが有利になります。
答えは一つの言葉に限定し、漢字・ひらがななどの表記ゆれは同じ答えとして扱う、と先に説明します。5問程度なら、説明と発表を含めて15分ほどに収めやすくなります。
先生を回答者に含める場合は、急に指名せず事前に相談します。先生の答えと同じなら追加点、というルールにすると、先生と学生の会話のきっかけにもなります。
余興6【先生への一言メッセージリレー】
クラスやゼミの代表者が、一人20〜30秒で先生へ感謝を伝えます。ゲームのような競争はありませんが、謝恩会の目的がはっきり伝わる時間になります。
参加者が多い会で全員にマイクを回すと長くなるため、事前に代表者を決めます。ほかの学生にはカードへ一言を書いてもらい、花束や記念品と一緒に渡す方法があります。
メッセージは「授業で学んだこと」「助けてもらった場面」「卒業後に生かしたいこと」のいずれかに絞ると話しやすくなります。内輪の出来事を長く説明するより、ほかの参加者にも伝わる一場面を選びます。
司会は終了の合図を決め、話す順番を紙で共有します。欠席者の代読をする場合は、本人から内容と名前の紹介方法を確認してください。
余興7【学生生活のベストエピソード表彰】
学生生活で印象に残った出来事を事前に募集し、当日いくつか紹介する企画です。「一番笑った実習」「忘れられない先生の言葉」「みんなで乗り越えた制作」など、学校らしいテーマにします。
投稿者や登場人物の名前を出す場合は、本人の了承を得ます。誰かの失敗を面白く見せるより、「大変だったけれど協力できた」「先生の言葉に助けられた」という方向で選ぶと、感謝と卒業の雰囲気につながります。
司会が一件につき30秒程度で紹介し、3〜5件に絞ります。長文は要点を短く整え、内容を変えていないか投稿者に確認します。受賞を競う形式にせず、「思い出として紹介する」だけでも成立します。
2時間の謝恩会に余興を入れる進行例
検索上位の会場・運営記事では、謝恩会は食事や挨拶を含めて約1時間半から2時間半の例が紹介されています。以下は2時間、70人、立食またはテーブル着席を想定した一例です。卒業式からの移動、料理の提供、会場の撤収時刻に合わせて調整してください。
| 開始から | 内容 | 幹事の動き |
|---|---|---|
| 0〜10分 | 開会・幹事挨拶・乾杯 | 出席確認、遅れて来る人を案内 |
| 10〜35分 | 食事・歓談 | 写真企画をする場合は投稿方法を案内 |
| 35〜55分 | 先生・学校クイズ | 司会、回答確認、得点記録を分担 |
| 55〜75分 | 歓談・写真撮影 | フォトコンテスト候補を確認 |
| 75〜82分 | 思い出スライドショー | 会場照明と音量を調整 |
| 82〜95分 | 写真・エピソード発表 | 受賞理由や投稿者名を確認して紹介 |
| 95〜110分 | 先生への感謝・花束贈呈・先生の挨拶 | 登壇順とマイクを案内 |
| 110〜120分 | 集合写真・閉会・退場案内 | 忘れ物と撤収を確認 |
集合写真は「最後に撮ればよい」と考えがちですが、整列だけで数分かかります。70人なら撮影場所と並び方を会場に相談し、先生をどこへ案内するか決めます。終了10分前に初めて声を掛けると、退場時刻を超えるおそれがあります。
余興が押した場合に削る部分も決めます。クイズを2問減らす、景品を席へ届ける、スライドショー後の感想紹介を省くなど、感謝の挨拶や閉会時刻を守るための調整案を台本に書きます。
幹事の準備を6週間前から分ける
6〜4週間前に決めること
- 会の目的、参加予定人数、予算
- 会場、開始・終了時刻、食事形式
- 先生の招待方法と出欠確認
- 司会、会計、会場連絡、映像・音響、撮影担当
- 余興の候補と使える時間
卒業式当日は、着替えや移動に時間がかかることがあります。学校から会場までの移動時間だけでなく、受付が混雑する可能性も含めます。
3〜2週間前に準備すること
- クイズ問題や写真、エピソードの募集
- スライドショーの編集
- 景品、花束、記念品の手配
- 会場のスクリーン、プロジェクター、マイク、接続端子の確認
- 写真や動画を会場で使用する範囲の確認
提出物は締切当日にそろわない前提で、一度リマインドできる日程にします。先生へクイズや挨拶を依頼するときは、必要な時間と内容を具体的に伝えます。
1週間前から前日に確認すること
- 司会台本と進行表を関係者へ共有
- 名前と肩書、読み方の確認
- PCで映像と音声を再生できるか確認
- 写真投稿を使う場合は、投稿から表示・選定まで試す
- 通信が使えない場合の予備企画を準備
- 集合写真の場所と並び方を確認
映像データは使用するPC本体にも保存し、オンライン上だけに置かないようにします。変換アダプター、充電器、延長コードの担当も決めます。会場備品を自由に使えるとは限らないため、持ち込み条件と追加料金を確認してください。
司会が使える短い案内文
クイズを始めるとき
「ここからは、先生方と学生生活にまつわるクイズを6問行います。テーブルごとに相談して、代表の方が回答札を上げてください。正解数が同じ場合は同点優勝とします。知識を競うというより、皆さんで思い出を振り返りながらお楽しみください」
写真を募集するとき
「歓談中に、今日撮影した写真を募集します。スクリーンに映ってもよい、ご自身や一緒に写る方の了承が取れている写真をお送りください。参加は任意です。発表の20分前までに届いた写真から、幹事が受賞写真を選びます」
写真を発表するとき
「お待たせしました。ここからは、歓談中に届いた写真をご紹介します。今回の受賞写真は、今日の会場の温かい雰囲気が伝わる一枚として幹事が選びました。写っている皆さまへ、拍手をお願いします」
時間が押したとき
「皆さまに先生方とお話しいただく時間を残すため、クイズは次の問題を最終問題とします。最後までテーブルの皆さまで相談してお楽しみください」
終了時刻を守る変更は、盛り上がりを止める判断ではありません。先生への挨拶や集合写真を慌ただしくしないために、司会が理由を短く伝えて切り替えます。
謝恩会の余興でよくある質問
先生にもゲームへ参加してもらうべきですか?
全員参加を前提にせず、事前に希望を確認します。回答者、解説役、受賞写真を選ぶ役など、先生が負担に感じにくい関わり方を選べます。急な指名や、答えにくい質問は避けてください。
景品は必要ですか?
必須ではありません。表彰状、写真、拍手だけでも成立します。用意する場合は、学生だけでなく先生が受け取る可能性も考え、持ち帰りやすく、学校や会場のルールに合うものを選びます。
スクリーンがない会場では何ができますか?
紙の回答札を使うクイズ、以心伝心ゲーム、メッセージリレーが候補です。スライドショーや写真投影を優先したい場合は、会場変更ではなく、モニターの貸し出しや持ち込みが可能かを先に確認します。
写真を後日全員へ共有してもよいですか?
会場での上映と、オンラインでの後日共有は分けて案内します。共有範囲、保存期間、写っている人への配慮、学校の方針を確認してください。イベントで集めた写真だから、自動的にどこへでも掲載できるわけではありません。
通信や映像が使えなくなった場合は?
歓談を続けながら復旧を確認し、時間を区切って紙のクイズや先生へのメッセージへ切り替えます。スライドショーはPC本体にも保存し、写真企画が難しい場合は発表を後日行うか、中止する判断を司会と共有しておきます。
感謝と歓談の時間を残せる余興を選ぼう
大学や専門学校の謝恩会では、余興の数よりも、先生と学生が同じ思い出を振り返り、感謝を伝えられることが大切です。参加人数、使える時間、会場設備、運営できる人数を確認し、クイズや写真企画を一つか二つに絞りましょう。
当日の写真を使った企画にしたい場合は、まず幹事のスマホで投稿から投影、受賞写真の選定までを試し、会場のPC・スクリーン・通信で動くか確認してみてください。
